事実は小説より奇なり
2023年11月16日(木)
制作局 H.T.
富士山綺麗です。本文とは全く関係ありませんが。
読書の秋。皆さんは本を読んでいますか?
誰の言葉か気になったので調べてみると中国の詩人・韓愈の漢詩が元になっているとのこと。“秋の夜は灯りをともして読書をするのにふさわしい”ということだそうです。
閑話休題。
今回は前回の「歴史小説」に続いて、ノンフィクション作品の個人的オススメBEST5を紹介したいと思います。
5位「木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったのか」増田俊也(新潮文庫)
プロ柔道からプロレスに転じた木村政彦が、当時、人気絶頂の力道山と「実力日本一を争う」という名目で開催された「昭和の巌流島決戦」。 戦後スポーツ史上、最大の謎とされる「巌流島決戦」を軸に、希代の最強柔道家・木村政彦の人生を詳細に描く、大河巨編です。
・オススメポイント
日本柔道史上、最強の柔道家といわれた木村政彦の試合にかける覚悟にただ驚愕です。
この作品を書くために18年もの歳月をかけた著者にも脱帽。
4位「殺人犯はそこにいる」清水潔(新潮文庫)
5人の少女が姿を消した。冤罪「足利事件」の背後に潜む司法の闇。「調査報道のバイブル」と絶賛された事件のノンフィクションです。
・オススメポイント
盛岡の書店員さんが「どうしても読んでほしい」という思いで、カバーをつけて「文庫X」としてタイトルも内容も伏せたまま売り出し、後に全国的に大ヒットしました。興味あるかたは是非一読を。
3位「黄金のバンタムを破った男」百田尚樹(PHP文芸文庫)
1960年代、日本人を熱狂させたファイティング原田(日本で初めてフライ級・バンタム級の2階級制覇)の戦いを描きつつ、昭和の“熱”を見事に再現した傑作です。
・オススメポイント
主要4団体17階級ある現在と違い、1団体8階級しかなかった時代の溢れるボクシングの熱量と時代背景がすさまじい。今は井上尚弥選手の試合が生で見られるのが幸運です。
2位「死に山」ドニー・アイカー(河出書房新社)
冷戦下のソヴィエトで起こった世界的未解決遭難怪死事件「ディアトロフ峠事件」。
その衝撃の全貌と真相を描くノンフィクションです。
9人怪死「ディアトロフ峠事件」 科学が迫る真相 – 日本経済新聞 (nikkei.com)
・オススメポイント
映像化されたこともあるのでこの事件のことをご存知のかたもいると思いますが、
著者の緻密な取材で一つの結論にたどりついたのでは?と本気で思わせる内容になっています。
1位「深夜特急」沢木耕太郎(新潮文庫)
インドのデリーから、イギリスのロンドンまで、バスだけを使って一人旅をするという目的で日本を飛び出した主人公「私」の物語であり、筆者自身の旅行体験に基づいている紀行小説。
・オススメポイント
沢木耕太郎さんの本はほぼ読んでいるのですが、1冊(文庫全6巻ですが)あげるとすればやはりこれになります。文庫本になっているので持ち運びやすく、旅のお供にもっていくと気分が上がるかも。
ノンフィクション作品の魅力はなんといっても実際に起きた出来事を基にしているところです。そして著者自身の体験や緻密な取材を経て私たちに擬似体験をさせてくれます。
中東問題や政治、私たちの生活、そして我々が行っている制作現場やイベント事業もノンフィクション。
まさに「事実は小説より奇なり」と痛感する毎日です。
END