のどかな町がパニックになるまで③
2023年9月14日(木)
レフカダ 馬場
前回までのあらすじ
~私の家の隣に引っ越してきた町の人との関わりを拒絶する中年夫婦
おばさんの雰囲気が会う度に異なる事に違和感を覚えた私は
ある日、日本人の中年のおばさんが若い美人インド人にすり替わっている事を知った~
外国人を見かける事が少ない時代だったこともあり、美人インド人をひとめ見ようと数日後には私の家の周りを散歩する人が増え、美人インド人だけでなく、複数の日本人の中年のおばさんがいることも町の人々が知る事となりました。
時は経ち
町の人々が我家のお隣さんに飽き、散歩の人は減り、隣家のチャウチャウ犬の鳴き声でイライラしている私の母だけが、隣の動向に敏感なまま「犬舎の場所を移動させるか、犬の鳴き声をなんとかして欲しい」と度々一人で隣の家を訪ねて行くような状況になっていました。
私は、進学の為に上京し、深夜の渋谷界隈の散歩に夢中で、一度たりとも隣の家の人のことなど思い出した事はありませんでした。
そんなある日、妹から
「お姉ちゃん!早く!早くテレビつけて!!」と慌てた様子の電話が、、
丁度、テレビをつけていた私の目に「●●●連続殺人事件の容疑者逮捕!!」というニュースと隣のおじさんが連行される様子が飛び込んできました。
改めてテレビに映る隣のおじさんを見る、
あっ!そうだ!!私は隣に引っ越してくる前からこの人の事を知っている!!
この人の周りの人が次々と行方不明になっていて、全員消息不明。
ワイドショーにも度々出ていて、インタビューを受けたり、自分で記者会見を開いたりしていたあの殺人疑惑の男だ!
途中からインド人になっていたあの中年のおばさんもテレビで見たあの女だ!と気付く。
私は「思い出したよ!あの事件の容疑者夫婦じゃんか。とんでもない有名人が隣に住んでたもんだなぁ。お母さん隣の家にあれだけ行っててよく殺されなかったよ!!こわいねー。ちょっとお母さんと電話替わってよ!」と、妹に言うと
「いま無理。警察来てる・・・。うちの庭掘るとかそんな話をお父さんとお母さんとしてる。」
えっ、なんでうちの庭掘るの? ここからが恐怖の始まりでした
つづく・・・
次回、のどかな町がパニックになるまで④最終回
~みんなどこに消えたの?なんで我家の庭掘るの?~
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のどかな町がパニックになるまで②