暗渠(あんきょ)
2022年9月29日(木)
制作管理部 T.S.
制作管理部のT.Sです。板橋区在住の50代です。
特に趣味と呼べるレベルではありませんが、古地図とか昔の写真などが好きです。
古い地図を見ては当時の風景を妄想してみたり、古い写真を見ては現代とのギャップに萌えを感じたりするのであります。
以前、昭和初期の板橋区の航空写真をネットで見つけたことがありました。
自分がいま住んでいるアパートの場所って何があったんだろうと調べてみたら、
ポツンと一軒家があり、周囲は畑ばかりでした。
(聞くところによると農家だったそうです)
現在では住居と駐車場だらけになってしまい、畑などどこにも見当たりません。
嗚呼、タイムスリップして当時の風景を生で見てみたい、という妄想にかられます。
街の景色って年月と共にどんどん変わってしまいますが、それでも探せば昔の痕跡って残っていたりするものです。
その1つが『暗渠(あんきょ)』であります。
ということで、こちらをご覧下さい。
一見するとただの道路ですが、おかしな点があります。
遊歩道が中央に位置していて、道路と道路に挟まれているのです。
歩行者はいちいち道路を横断しなくてはなりません。
これ『暗渠』なのです。
暗渠とは・・・蓋を掛けられたり土管に流れを移されるなど、人の手によって地下に追いやられ、見えなくなった川や水路のこと。
地上部分は遊歩道や生活道路として利用されていることが多い。
ここにはかつて前野川という小さな川が流れており、そこを暗渠化したためこのような構造になったようです。
そうだと教えてもらわなければなかなか気付きませんよね。
次にこちらの画像
首都高速5号線の下に遊歩道があります。この遊歩道もかつては出井川という川が流れていました。
首都高の建設とともにその姿を消しました。当時は川岸に桜の木があったそうです。
続いてはこちらの画像。
都営三田線の高架橋の下。 自転車の駐輪場となっていますが、この緩やかなカーブも出井川の暗渠です。
近寄って見ると確かに「出井川橋梁」と表示されています。
続いてはこちら
高島平団地にある前谷津川緑道です。
マンモス団地に隣接しており、とても立派な緑道となっています。
ここにも昔は前谷津川という川が流れていました。
高島平団地の案内看板です。
団地よりも前谷津川の方が古くから存在していたことが分かります。
ということでほんの一部ですが、板橋区の暗渠をご紹介させて頂きました。
昔の風景というのはどんどん消えてしまっていますが、よく探せば皆さんのご近所にもなにかしら昔の痕跡が残っているかもしれません。
いつもの見慣れた光景でもちょっと視点を変えれば何か新たな発見ができるかもしれませんね。
最後にテーマに関連した画像を載せておきます。
「いたばし暗渠Tシャツ」
板橋区民でもほとんど知らないマニアックなTシャツです(モデル:筆者)
「板橋マニア」
板橋区の歴史・地形・見どころ・グルメなどが載っている本です。
暗渠についても特集ページがあります。(2018年刊)