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のどかな町がパニックになるまで②

2022年7月14日(木)
レフカダ 馬場

これは30年以上前の話です。
私の実家は東京から2時間程で行ける小さな漁村です。
町の人は全員が顔見知り、みんな先祖代々その地に住んでいて、借家は町に2軒しかありません。
そのうちの1軒が私の家の隣。
トタンで出来た平屋で外から見てもせいぜい8畳間×2くらいの広さであることが想像できるような小さな家です。

ある日、その借家に中年のおじさんとおばさん夫婦が引越してきました。
田舎なので、近所に引越しの挨拶をするのが当たり前の時代、その夫婦は隣家である私の家にすら挨拶は無く、町の人との関わりを持ちたくない事が容易に想像できました。
私はそもそも、おじさんとおばさんなんかどうでもよくて、一緒に引越してきた大きなチャウチャウ犬3頭に興味深々でした。

その夫婦は、私の母の寝室の窓にぴったりくっつけるように犬舎を立てました。
犬舎を建てた所は借家とは関係の無い他人の敷地です。
毎朝、餌をねだるチャウチャウ犬の吠える声で早起きになった母は日に日にイライラしていきましたが、私は寝室の窓を開けてチャウチャウ犬を見るのが楽しみになりました。

そんな日が数か月程続いた後、私は
「隣のおばさん会うたびに感じが違うなぁ~」という違和感を覚えるようになりました。
家族にもその事を伝えたのですが「気のせいでしょ」と、とりあってくれません。

そしてある日、私が自宅の玄関を出ると
チャウチャウ犬を3頭連れた女性がこちらに向かって歩いてきました。
(あ、隣のおばさん犬の散歩してる!今日はおばさんの顔よく見てみよう)

頭に布を被り、顔を隠すように歩いていたおばさんとすれ違う時
顔をのぞきこむと
中年だったはずのおばさんはとても若く、目鼻立ちがハッキリした美人で額に何かつけています、、、

びっくりした私は
「お父さ~ん!!見て~~! 隣のおばさんインド人になってる~~!!! おでこにアレついてるぅぅ~~!!」と大声を上げて家に駆け込みました。

田舎者の私が初めて見た外国人
アレがビンディと知るのはそのだいぶ後の事です。

つづく・・・

次回、のどかな町がパニックになるまで③
~妹からの電話「お姉ちゃん!早くテレビつけて!!隣のおじさんニュースにでてる!!」~