ボクはアナログが好き ！

2021年6月10日(木)
制作スタッフ　H.I.

私の仕事のメインは リーレの命とも言える作品のアーカイブである。 今でこそデジタル全盛の時代であるが、ボクはれっきとしたアナログ派。

思えばこの業界に入った時は16mmフィルムの編集がスタートだった（ 年がばれるｗｗｗ）。フィルムはとても繊細で 湿度や埃に弱く、すぐ傷がつく厄介な代物だった。 編集のアシスタント （要はフィルムをつなぐ人 ）を2年間勤め やっと自分がフィルム編集の本番になった日の緊張は今でも決して忘れない。

フィルムを確認する１６mm ビューアの後ろに、撮影したベテランカメラマンがずっと張り付いて編集の様子を確認しているのだ。いざフィルムにハサミを入れようとすると「そこでカットしていいのかな ？」と何度も聞いてくる。 その度に手が震え体はフリーズしてしまった。 なんとか編集を終えて OAにこぎつけるが、その後に本当の地獄が待っている。

カメラマンから「君はどんな意図で俺のフィルムをつないだのか説明してくれる？」解答のわからないボクは「何となく」と答える…

「えっ、何となく？こっちは命がけで撮影してきたのに、何となくでつながれちゃ困るんだよね」と延々と説教が始まる。あーやっぱりボクに編集は向いていないなとしみじみと思った。やっぱ違う仕事しようかなといつも考えていた。そもそもボクは絶望的にセンスが足りなかった。ｗｗｗ

しかし、その時に尊敬するベテランの編集マンが「H.I.君、仕事は3年間真剣にやってみないと答えは出ないよ。まずは3年間頑張ってみよう」と熱心に言ってくれた。その人はとにかく編集が早くアシスタントが追いつかない神業のようなテクニックを持っていた。 その人のアドバイスがあったからこそ、今の自分があるのかもしれない。

それから時代はフィルムからテープへそしてデジタルへと進化して行く。

基本的に変化に対応出来ない人はどんどん辞めていった。 テープも2 インチから1 インチ、 3/4 、ベーカム…。そうアナログ時代がとても長いのだ。そして今やデジタル、無線ネットワークの時代である。

ボクはこの会社に来るまで、デジタル編集をしたことがなかったのである。 アナログ・オフライン編集しか出来ないボクでも基本スキルがあれば、何とかなると実感した。

しかし、現在YouTubeで活躍されている皆さんの編集スキルは凄い！撮影から編集までこなした上での定期的なアップロード。とても自分にはマネ出来そうもない。

とまぁ、とりとめのない話をしてしまった が、最初のアナログの話に戻ろう。銀塩フィルムカメラ、オープンリールやカセットテープそしてレコード等そんな昭和のアナログがやっぱり好きだ ！！

そんなアナログ機器にかこまれながら 真空管アンプの柔らかな光の中で、好きなレコードを心ゆくまで聴きたい。それが今の夢である 。

あっ、大事な事を忘れていた。自分には大音量を出せる部屋が無かった…テヘｗｗｗ